昨日、じーちゃんが死にました。
まだ実感は沸きません。離れているからだろうか。
電話をくれた弟の声が、暗かったです。
父さんと母さんは、冷静でした。
死んだって聞いたときのオレも、怖いくらい冷静でした。覚悟を決める時間が沢山あったこともあるでしょう。
弟と二人で、よく泊まりに行ったこと、じーちゃんの喋る腕時計のこと、帰る時はいつも必ず握手してたこと、手がおっきかったこと。短い時間で色々思い出しました。

急遽帰省してから約二ヶ月、じーちゃんは本当に頑張って生きようとしたんだと思います。最後に言ってた『もう一度元気になる』という言葉は、嘘になってしまったけど。
戦争に行ったり、工場が上手くいかなかったり、子供に裏切られたり、病気と闘ったり。
まれにしか弱音を吐かなかったから周りの人は気づかないことも多かったかもしれないけど、じーちゃんは本当に大変な人生を送ってきたとオレは思う。
それでも最後まで生きようとしてみせた、そうさせたものはなんなのだろうか?オレや、家族みんなの励ましが、少しでも届いてたら嬉しいな。でも、そのせいで楽に逝かせてあげれなかったとしたら...本当にごめんなさい。真実はもう誰にも分からないけど。

とにかく、オレは、じーちゃんがもう殆ど出ない声で何度も言ってたことを守って、これから一生懸命生きていきます。

人の役に立つ人間になります。
父さんと母さんに、感謝もします。
何かひとつだけ、誰にも負けない武器を磨きます。
車の事故にはよく注意します。

ずっと見守っていてください。